四月十七日の作文
ことわざあそび イル・ボンナム
ぼくがシャワー室で母をよんだ。新しいことわざがかんせいしたからだ。
えびで金魚をつる。
母は、
「おもしろいね。」
と、わらった。
一番おもしろいところは、えびでたいをつるをえびで金魚をつるにかえたところだ。えびで金魚をつるということわざの意味は、何かをして少しだけしあわせになるという意味だ。ぼくは、まるでことわざ発明者のようだ。
またおもしろくって、わらえて、新しいことわざを作ろうと思った。
ほぼひらがなだけで書いていた(読みづらい)ので、簡単な言葉は漢字になおしました。あとは原文ママです。
休校も二か月たつと遊ぶネタがだんだん尽きてきます。この一週間、作文のネタになるようなことがなかったようですね。原稿用紙を前に、しばらく悩んでいました。
自宅のふろ場には、濡れても平気なことわざ表が貼ってあります。ある日、それを見ていた息子が私を呼びました。
「お母さん、ぼくが作文を書くだけで、おばあちゃんたちにほめてもらえるなんて、『えびでたいをつる』だね~」(狙い通り!)
と言いました。もっと作文を書かせたいと思った私が、ここぞとばかりに、
「ずっと書き続けたら、頑張ったで賞として何かプレゼントがあるかもよ~。」
と口をはさむと、彼は少し考えてから、
「じゃあ、ほめてもらうのは『えびで金魚をつる』だね。ちょっとしたことで、小さな幸せがもらえるって意味だよ。たいは、プレゼントもらったときね。」
こんな経緯で、新しいことわざができました。
…余計なことを言わなければよかったと、少し後悔しました。